その都度の変更登記が必要

株式会社の代表取締役、合同会社の代表社員といった代表者の住所は登記事項であり、代表者が引っ越しで住所が変わったときは、その変更登記の申請を法務局に対して行う必要があります。

市役所等に転出・転入届を提出しても登記上の住所は自動的に変更はされません。

そして、代表者が、茨城県つくば市→東京都千代田区→東京都立川市といったように複数回引っ越しをして住所が変わった場合、それぞれの住所移転につき登記を行う必要があります。

不動産登記においては、最後の住所移転につき登記をすれば足りますが、商業法人登記における代表者の住所変更については、このような中間省略の取り扱いは認められていません。

 

登記申請

書式や記名押印、登録免許税の納付方法、原本還付等については法務局の案内をご参考ください。

株式会社の代表者の住所変更登記については法務局公式サイトに記載例があります。申請書様式のダウンロードもできます。

商業・法人登記の申請書様式

・1-5 株式会社役員変更登記申請書(住所移転)

ここでは複数回住所移転があった場合の「登記の事由」「登記事項」「添付書類」に記載すべき部分ついて記します。といっても移転に関する事項を列挙すれば足ります。

関連記事とも重複しますが、添付書類についても記載します。

 

株式会社

登記の事由 代表取締役の住所変更

登記すべき事項
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」東京都千代田区〇〇町〇番〇号
「原因年月日」平成〇年〇月〇日住所移転

「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」東京都立川市〇〇町〇番〇号
「原因年月日」令和〇年〇月〇日住所移転

 

合同会社

登記の事由 代表社員の住所変更

登記すべき事項
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」東京都千代田区〇〇町〇番〇号
「原因年月日」平成〇年〇月〇日住所移転

「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」東京都立川市〇〇町〇番〇号
「原因年月日」令和〇年〇月〇日住所移転

添付書類(株式・合同共通)
住民票または戸籍附票(任意) ※1
委任状(代理人が申請する場合) ※2

登録免許税
1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)

 

注意事項

※1
住民票、戸籍附票など住所の履歴が分かる証明書を添付するかは任意です。添付せず申請することもできます。

添付しない場合は、住所移転の日付に間違いがないかよく確認する必要があります。間違っていると更生(訂正)の登記が必要となり、登録免許税のみで2万円かかってしまいます。

※2
代表取締役自身が申請する場合は委任状は必要ありません。従業員の方が申請する場合、判然としない部分もあり(代理か使者か曖昧)、委任状も添付するのが無難と言えます。

また、委任状を添付する場合、※1とも関わるのですが、住民票等を添付しない場合、委任状に移転後の住所と住所移転の日も記載しておく必要があります。本件では、移転後の住所、移転日を複数記載しておく必要があります。

参考

法人の代表者の住所変更登記における委任状の記載

 

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